自己アピールしようよ。●大学構内(昼)新入生が目立つ中、リクルートスーツの加島 忠(25)が肩を落とし歩いている。 後ろから、ジャージ姿の真田 はるな(22)が走ってくる はるな「忠―。何くらい顔してんの?新入生に笑われちゃうよ。それに就職うまくいってないの自己アピールしてるようなもんだよ」 忠「うるせーな。ほっとけよ。自分が先に決まったからって馬鹿にしやがって」 はるな、持っていたテニスボールをぶつける。 はるな「バカー。私の事そんな女だと思ってたの?」 忠「どうせ、お前は、来年から実家へ帰ってしまうんだし、俺の事なんかすぐ忘れちゃうんだろ?東京の幼稚園受けろっていうの聞いてくれないんだからな」 はるな、手に持っていた白い封筒をズボンのポケットにしまう。 はるな「(笑顔で)そっか。そうだよね。私が悪いんだよね?忠の気持ち考えずに変な事言っちゃったから。私、帰るね。サヨナラ」 ●数ヵ月後 ●忠のアパート(昼) 学生専用のややぼろいアパートの造り。 ●同・中 忠「(電話で)はい、はい。ありがとうございます」 電話を切る忠。 はるなに電話をかける忠。 電話のメッセージ「ただいま、この電話番号は、つかわれておりません」 ●はるなのアパート(昼) いつものようにドアを開ける忠。 中には、窓の上に白い封筒がある。 忠「あっ・・・」 白い封筒の中に東京の幼稚園の内定通知。 ジャンル別一覧
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